当センターは、相模湾西岸の真鶴港と岩港に挟まれた高台(標高26m)にあり、研究室からは真鶴岬から丹沢山塊、西湘地区、三浦半島と房総半島までを望むことが出来ます。相模湾西北部の小田原から真鶴・熱海・伊東・初島に至る海域には陸棚域がほとんど発達せず、沖合部にゆくにつれて水深が急激に増加し、水深1500mを超える相模舟状海盆につながっています。
海岸付近の地形は、箱根古期外輪山の溶岩流出による複雑な岩礁海岸を呈し、多くの海洋生物に好適な生息環境を提供しているため生物相は多彩です。センター付近の海岸には400種を超える大型底生動物や130余種の海産藻類が報告され、加えてこの海域の表層部には酒匂川・早川をはじめとする大小の河川水の流入がある一方で、伊豆半島東岸沖を北上してくる黒潮分流も存在し、沖合の深層部には親潮潜流の影響があるために、センター付近の海域では暖流から寒流系の様々な動植物プランクトンから魚類についても観察することが出来ます。またこの海域は、本学で実施された21世紀COE プログラムやグローバルCOEプログラムにおいて、沿岸域の環境モニタリングや生物生態リスクマネジメントを行う上で重要となる陸域・沿岸域・沖合域のリンクを総合的に解析するための格好の場を提供しました。